Yahooニュースのアクセスランキング上位にここ数日(2015年2月上旬)、同じ記事が残っています。

奨学金返せず自己破産、40歳フリーター 月収14万円「283万円払えない」

(出典:西日本新聞経済電子版qBiz by 柳田あかね)

ニュースポータルは、便利なのでどうしても使ってしまうのですが、ニュースソースの元の記事へのリンクは大抵なく、クレジットもありません。西日本新聞にはソーシャル機能がなさそうなので、元記事がどれくらい読まれたか分からないのですが、Yahooの記事はTweet6375回、Facebookシェア13000回(2015年2月11日現在)になっています。西日本新聞の記事を見ると、続きがあるではないですか。有料なので、次の段落の1文目しか見えませんが、Yahooを見るだけでは起承転結の起だけかと思われます。

世界の大学学費

僕もこの記事を見る前から、日本とアメリカの比較の一環として学費などについても調べていたのですが、日本での「大学学費」に関する意見として「日本の大学学費は高すぎる」というものがたくさん出てきます。「橘木俊詔・八木匡の研究(『経済セミナー No.636』p.86、日本評論社、2008年4月1日)」などの調査・研究によるところが大きいと思います。

世界各国の大学の学費

橘木俊詔・八木匡の研究(『経済セミナー No.636』p.86、日本評論社、2008年4月1日)によると、現在の世界各国の大学授業料(初年度納付金=入学料+授業料)は以下のようになっている。「日本の国立大学の学費は極めて高く、高等教育の機会が経済的側面において公平に確保されているとは言えない」(同書、p.85)。アメリカの州立大学よりも遥かに高くなっており、「国公立大学でも諸外国との比較で重い負担を強いられている」(同書、p.86)。

  • イギリス- 国立が23万円(但し、2010年現在45万円)、私立(1校のみ)が120万円

  • ドイツ- 州立が1.8万円

  • フランス- 国立が1.9万円

  • アメリカ合衆国- 4年制大学の国内平均は州立が140万円、私立が270万円、公立のコミュニティカレッジは10万円~100万円、アイビーリーグなどの名門私立は2000万円以上と隔たりがある。

  • 日本- 国公立が82万円、私立が131万円

  • ポルトガル:901.23ユーロ/年 (2007) 

  • スペイン

公立 14.97 ユーロ/単位(2010)[1]

私立 18,000 ユーロ/年

  • オーストラリア 5242AUS(42万円、2003年)但しオーストラリア政府は大学及び大学院で掛かる費用を、オーストラリアの市民権を所有する者に全額ローンとして貸すHigher Education Contribution Scheme (HECS)という制度を採用している。最大で一人豪ドル$112,134まで連邦政府から借りる事ができ、卒業後10年から20年で返済に当てる。

(出典:「学費」該当部分最終更新2012/1/14 UTC09:09、『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』

名門大学の学費

これだけ見ると、かなり日本の学費は高いのだと思う(他のサイトを見ていると少なくともイギリスの国立大学は2012年に学費が3倍に跳ね上がったという記載があります。)のですが、イギリスは高い教育レベルの大学、たとえばオックスフォード大学とかケンブリッジ大学などよく耳にする大学、は私立大学で学費は非常に高いはずです。アメリカの学費はもちろん日本より高いです。ドイツ・フランスは、日本より安いのは確かなのでしょう。アメリカの学生ローン、学費の高さと比べると(違いすぎて比べるのが間違っているかも知れませんが)日本の有力校はほぼ国立ですし、アメリカ、イギリスの有名校よりは圧倒的に学費が安いと思うのですが、どうなのでしょうか。

給付型奨学金や授業料減免制度

これとは別に、OECD加盟国の学費と給付型奨学金の充実度をプロットすると、日本だけ「学費は高く、給付型奨学金がない」に分類される、というものもあります。この指摘では日本学生支援機構の「学生ローン」を念頭においていると思います。しかし、国立大学は授業料減免制度があり年収600万程度の家庭でも半額減免はできそうだ(2010年)、という記事(下記引用部分)も見つけました。特殊ですが、防衛大学校、防衛医科大学校、自治医科大学など、大学学費が給付されてさらに生活費が支給される大学もあります。一方、アメリカは給付型の奨学金が多いとは言っても、希望すれば取れるわけではなく取ることも競争で、さらに取ったことが個人の業績に加味されていく(ように見える)ために奨学金をもらうのは教育にお金をつぎ込める富裕層の子弟で、僕の周りにいるアメリカ人は相当賢い若者でも、学費が払えないから一旦就職したという人が何人もいます。

例えば、年収600万円の3人家族の家庭で、本人が自宅外通学している場合では、総所得金額は、
①600万円 - ②(600万円×0.3+62万円) - ③72 万円= ④286万円
①:年収 ②:控除額 ③:特別控除額 ④:総収入額 となりますので、全額免除の基準は満たせませんが、半額免除の基準を充足します。これに例えば兄弟がいて、大学在学中だったりすれば、全額免除の基準を満たす可能性は十分あります。家庭の年収が600万円って、決して貧乏では無い気がしますが、免除申請は可能です。 さて、ここまで基準を示しましたが、基準を満たしたからといって必ず免除されるわけではありません。文部科学省の通知 授業料免除の取り扱いについてによれば、各国立学校における免除実施可能額が示されていて、大学の場合は授業料収入予定額の5.3%とされています。たぶん、各大学で応募者を順序付けして、上から何人、というように決めるのではないかと思われます。 ただし、この率は決して絶望的なものでは無く、どっちかというとユルいように見えます。例えば全額免除と半額免除の採用者数が半々だったとすれば、全学生の7.95%≒8%がどちらかの免除を受けることができる数字です。周囲の友人を見回してみてください。この制度にそれほど多くの学生が殺到すると思えますか?
出典:国立大学の授業料免除』(馬坂コム)

参照元の記事に詳しく書いてありますが、年が近い兄妹がいる家庭であれば控除額が大きくなりそうですので、申請したら確かに通りそうな気がします。今の支給基準を時間のあるときに見て見たいと思います。

ただし、「日本の格差が固定化してきている」という指摘はその通りであると思います。受験産業が発達していなかった時代の話で、貧困家庭から東京大学へ進学して出世した、というサクセスストーリーを聞いたことがあります。今でも本当に一握りの才能がある人は可能だと思いますが、少し才能がある程度の人では、お金をかける人が増えている分、難しいかもしれません。僕も、親が教育にお金をかけてくれていなかったら大学に入れなかったかも、しれません。

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