TSAロックというものがあります。アメリカの運輸保安局(Transportation Security Administration; TSA)が認証した鍵で飛行機の預け入れ荷物を抜き打ち検査する際に当局者が開閉できる鍵です。TSAロックで酷い目にあったので記事にしておきます。

よく言われるTSAロックの問題

TSAロックではない鍵を使ってスーツケース等をロックした場合、検査に伴ってスーツケースの鍵は破壊されます。TSA当局者は共通の合鍵(11種類)を持っていてそれで開閉するのですが、たまたま担当者が合う鍵を持ち合わせていない場合にも、スーツケースの鍵は破壊されます。

また、番号を合わせる鍵であろうと、鍵穴があるタイプであろうと、たった11種類の鍵で全てが開錠できてしまいます。アメリカ国内では販売が禁止されていますが、世界のどこかで売られていないとも限りません。

 

TSAロックのせいで・・・

これはよく知られていることなのですが、

担当者は「開閉」、つまり、開けるだけではなく閉めるのです。そう、たとえ、開けていなくても・・・・

先日、日本へ一時帰国した際に、

TSAロックがついているスーツケースの鍵をなくしてしまっていたので鍵を開けたままにして、代わりにTSAロックがついたスーツケースベルトをつけて預けました。

家に帰り、一息ついて、スーツケースを開けようとしたら・・・・

鍵がかかっていて開きません

鍵をかけていないのに、荷物検査後に鍵をかけられたのです。

中に割れ物を入れていたので、ハンマーでスーツケースを壊すわけには行きませんし、そもそもポリカーボネート製なので僕では壊すことはできなかったでしょう。

しばらく途方に暮れてから、スーツケースを持って空港に戻りました。

TSA職員に頼むしかないだろうと思ってはいたのですが、彼らは武装していますしできればトラブルを持ち込みたくありませんでした。そこで、ダメ元でまずは航空会社の窓口に行ってみました。

やはりダメでした。

仕方ないのでセキュリティのラインに並び、パスポート・航空券チェックのところでTSA職員にお願いしてみたところ、別の人を呼んでくれて目の前で開けてもらうことができました!

大きな空港では、おそらく長時間待たなくてはいけないですし、トラブルを起こすとどうなるか知れないので、やめておいたほうが無難だと思います。田舎の空港で良かったと思った瞬間でした。

もしも、もう一度同じ状況になってしまったら、最寄のロックスミス(locksmith)へお願いすると思います。上記のような状況に日本でなってしまった場合、日本にはTSA検査官はいませんので空港職員は開けられません。

成田空港なら空港内に鍵屋さんが入っていますが、他の空港・地域の場合には鍵を開けてくれるサービスにお願いするしかありません。

電話で出張してくれてスーツケースにも対応しているようです。ほかに「カギの救急車」というのもありますが、どちらも幸い試したことはありません。

その後、カギがついていないスーツケースを買い、南京錠タイプのTSAロックを付けるようにしました。カギはなくすし、番号は忘れるので文字タイプのものです。日本で売っていないか、探したのですが見つかりませんでした。

こんなのです。上から順番に、ある文字とない文字があるので、すべての単語が作れるわけではないです。普通のはこれ、

スーツケースベルトと合わせて使っています。要らないといえば要らないのですが、鍵のついていないスーツケースにも使えるし荷物が出てきたときに見つけやすいので便利です。

 

そもそも「鍵」に意味ない

そもそもスーツケースに鍵をかけたところで、置き引きに遭う危険は変わりません。町にロックスミスがありますし、スーツケースを壊してしまえば中身を取り出すことができます。

荷物から目を離している間に、ケースを開けて中身を取り出すのと、ケースごと持っていくのとどちらが楽かといえば自明です。盗られてしまったら、鍵が開かなかったからといって返してくれるはずはないので、鍵があっても無意味です。

今は、ロックは持ち歩いている間に間違ってスーツケースが開いてしまうのを防止するためだけと思って使っています。

 

TSA職員が盗むことも多い

さらに、鍵を持っているTSA職員が客の荷物を盗む事件も多くあります。少し前の記事ですが、

 その統計によると、過去10年で、窃盗容疑でクビになった TSA職員は全米の空港でなんと 381人。その内、マッキャラン空港は 15人で、マイアミ、ニューヨーク (JFK空港)、ロサンゼルス、アトランタに次ぐ全米第5位という不名誉な順位にランクされてしまったわけだが、これは事件発生確率の順位ではないことを、改めて強調しておきたい。
出典:『泥棒職員 381人をクビにしたTSA から自分の荷物を守る方法』(週刊ラスベガスニュース)

TSAロックの制度が導入されてから10年で381名が懲戒解雇されたそうです。対策されてこれで終わったか、というと全くそうではありません。

2015年2月にも、テレビ局の仕掛けた罠に引っかかって盗んだというニュースがありました。

And these insider thefts just don't happen in Miami. A CNN analysis of passenger property loss claims filed with the TSA from 2010 to 2014 shows 30,621 claims of missing valuables, mostly packed in checked luggage. The rest occurred at security checkpoints. Total property loss claimed: $2.5 million.
John F. Kennedy International Airport in New York topped the list of airports with the most claims of thefts from luggage, followed by Los Angeles International, Orlando International and Miami International, according to the data.
出典:『Hidden cameras reveal airport workers stealing from luggage』(CNN.com)

文字だとわかりにくくいのですが、リンク先ではわかりやすいイラストで説明されています。一番よくなくなるものは、高級時計で、服、ノートパソコン、携帯電子機器などが続きます。

そして、空港の中で荷物がなくなったという報告が5年間で30,621件あるうち、預け入れ荷物からなくなったのが25,016件、セキュリティチェックでなくなったものが5,605件と書いてあります。(イラストを見ると、空港の他のエリアで無くなったものもあるようなのですが。)このように、ほとんど全ての荷物消失がTSA検査官がいる場所で発生しています。この中の何割が検査官による盗難なのかはわかりませんが。

日本発着便の荷物、日本人の荷物は狙われやすい

そして主に荷物がなくなるのは、ハワイ便、日本便、などと書いてあります。日本の荷物は狙われやすいのです。

上記の日本語サイトに記載されている対策は、

  1. 高級スーツケースを使わない
  2. 布製のスーツケースを使う
  3. スーツケースベルトを使わない
  4. 名前、住所を書かない

などです。

日本でスーツケースを買った時には、ほとんどの商品がTSAロック付でした。サムソナイトなどの商品にはTSAロック付もありますが、アメリカで普通に売っているものにはTSAロック付は少ないです。

そういえば、今まで4~5回TSAに荷物を開けられたことがあるのですが、すべてTSAロック付のスーツケースでした。(半分以上はTSAロックなしで旅行しています。)

鍵をかけられた体験と色々見た結果から、TSAロックが最初からついているスーツケースを買うのは今後やめようと思いました。

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