今日Yahooニュースをみたら、東京都医学総合研究所のチームがより良いインフルエンザ検査を開発したというようなニュース(リンク切れしたので記事へのリンクは削除しました)が出ていました。元記事は毎日新聞なのですが、読めないので記事の全容がYahoo.co.jpと同じかはわかりません。さらに元になったのはPLoS Oneという学術雑誌で、オープンアクセスジャーナルといわれるものの一つです。誰でもインターネットで読むことができます。PLoSというのは、Public Library of Scienceの略で「公衆科学図書館」のような意味の組織で、PLoS One以外にもたくさんの雑誌を出していて評価が高いものもあります。

新しいインフルエンザ検査薬

今回の論文は、「Fluorescent Immunochromatography for Rapid and Sensitive Typing of Seasonal Influenza Viruses」というタイトルで、同研究所以外にメーカー2社と北海道大学獣医学部の研究チームの連名になっています。

東京都医学総合研究所プレスリリース

当初調べた限りではどこからも一般向けのプレスリリースは出ていませんでしたが、後で見たら出ていました。

季節性インフルエンザ(A型B型)を発症早期に検出可能な高感度イムノクロマト ~米国専門誌「PLOS ONE (プロスワン)」に発表~』(東京都医学総合研究所)で、以前には、鳥インフルエンザの検査としての同様の方法も発表しています。

論文を読んで

内容は記事タイトルの通りで一言で済ますなら「感度と特異度が高い迅速検査(すぐ結果が出る検査)を作ったぞー」となるのですが、この新しい方法では蛍光リーダーという機械がないと結果がわからないので、たぶん現行の検査のように検査キットを見せながら、「ほら、インフルエンザですよ」というわけにはいきません。

蛍光を使う方法では、感度(病気を見つけ出す力)が強い反面、昨年話題になったSTAP幹細胞の追試でも一時蛍光が見えた(=成功した)かもしれないというニュースがあったと思いますが、プラスなのかマイナスなのか、分かりにくい場合があります。どこかで線引きをして陽性(インフルエンザ)と陰性(インフルエンザではない)を決めますが、この論文の通りであれば、とても綺麗に分けることができた、ということです。

僕の理解の問題かもしれませんが、この論文では「従来の簡易検査で陽性(インフルエンザ)の場合にはタイプ(A型、B型)を決めて、培養とRT-qPCRで確定させた。簡易検査で陰性の場合には~~と診断した」とあり、簡易検査で陰性の場合にも確定診断しているかどうか、記載を見ても不明です。また、この新しい検査と従来法を比べたときに、陰性コントロールの数が、なぜ群間で異なるのか(A用とB用)、わかりません。

量産、保険収載は?

2015年2月の新聞記事によると2015年末に向けて製造中とのことですので、論文内だけではなく実地でも結果を出してくれるといいなと思います。検査キット、検査機械ともにかなり高額になりそうな予感ではあります。

日本にいたら分かると思うのですが、ネットで検索した限りでは、インフルエンザシーズンが近づいた2015年10月時点では発売のニュースは見当たりません。

競合も

東京都医学総合研究所とライバルなのか協力関係なのか分かりませんが、他にも蛍光を使った検査開発のニュース(古河電工、リンク先はPDFです)がありました。(平成23年、2011年です。) 古河電工のものは、東京等医学総合研究所のものよりも、まだ手作り感が強いプロトタイプです。

数年したら、都市部の病院では検査が置き換わっているかもしれません。

 

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