2015年10月1日についに始まったマイナンバー制度ですが、マイナンバーを扱う厚生労働省のシステムの受注を廻る収賄で、情報政策担当参事官室室長補佐、中安一幸容疑者が逮捕されました。

マイナンバー

マイナンバーは、当サイトでも何度か話題にしている制度で制度の目的としては「徴税」という、後ろ暗いところがなければ至極問題がないはずなのですが、目的外に利用されることが予想されていたり、銀行口座情報など金融情報と紐付けされてしまうので、底知れない恐怖を感じる制度でもあります。

今までの記事でマイナンバーに関連したものは、

があります。

マイナンバーのシステムで贈収賄

2015年10月13日、マイナンバーの導入にかかわるシステムを担当していた厚生労働省の職員が収賄で逮捕されました。贈賄側の企業名は出ていませんが、贈賄の時効3年を過ぎているので、告訴されないようです。捜査中で意図的なのか、どこを探しても贈賄側の企業名は出てきません。

「税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度」導入に絡むシステム契約を受注できるよう便宜を図った見返りに、現金を受け取ったとして、警視庁捜査2課は13日、収賄容疑で、厚生労働省情報政策担当参事官室室長補佐、中安一幸容疑者(45)を逮捕した。
...中略...
 関係者によると、中安容疑者は3年に厚生省(当時)に入省し、医療・社会保障分野の情報化を推進。マイナンバー関連のシステム構築にも関与し、24年からは厚労省の情報政策を統括する情報政策担当参事官室に所属している。
 中安容疑者は日本医療情報学会に所属しており、国立大客員准教授も務めるなど、医療関係者やIT業者にも幅広い人脈を持っている。捜査2課は、中安容疑者が情報政策に影響力がある立場を悪用して業者側に便宜を図ったとみている。
 マイナンバーの導入には、政府側、民間側ともに大規模な情報システムの改築や、新規システムの立ち上げが必要とされる。1兆円規模の市場になるとの見方もあり、IT関連業者による受注合戦が繰り広げられている。
出典:『「マイナンバー」システムで収賄容疑 厚労省室長補佐を逮捕 警視庁』(産経ニュース)

 捜査2課などによると、中安容疑者は厚労省でマイナンバー制度の運用に向けたシステム整備を担当。2011年11月、システムの設計や開発業務を受注できるよう都内の業者に便宜を図り、その見返りとして現金を受け取った疑いが持たれている。業者は業務を受注したが、贈賄罪については3年の公訴時効が成立しているという。
 捜査関係者によると、中安容疑者はこの業者から他にも現金を受け取っているといい、総額は数百万円に上るとみられるという。
出典:『マイナンバーのシステムで収賄容疑、厚労省補佐を逮捕』(朝日新聞Digital)

1兆円規模となると、目には見えませんが大きな公共事業です。最近話題になった、東京オリンピック「新国立競技場」 の建設予算が2500億円だったりすることを考えると膨大です。

室長補佐?

室長補佐というのがどの位の役職なのか、さっぱり分かりません。

厚生労働省の幹部名簿を見てみても、誰がどのくらい偉いのか、さっぱり分かりません。分かったのは、情報政策担当参事官室というのが併任とカッコつきでいくつかかかれていましたが、情報政策担当参事官室室長が載っていないことくらいです。

逮捕された容疑者は、情報処理関係に明るく、実務担当者だったのでしょうか。

幹部の責任?

今のところ、「中安一幸容疑者を逮捕」というニュースしか出ていませんが、上司などはどうなっていくのか、何も起こらないのか、時々ウォッチしたいと思います。

新しいシステム導入時

規模はマイナンバーよりも圧倒的に小さいですが、 病院のカルテシステムの入札を見ていると、導入当初には担当者と癒着が起こりそうな構造は同じかなと思います。

病院のカルテシステムの場合、一旦導入されてしまうと他社に乗り換えるのはとても大変です。入札の前にシステムに要求する項目をリスト化しますが、更新時には一つの会社のシステムを志向した要件リストになっていっています。

一度、途中で電子カルテシステムを変更した病院で働いたことがありますが、以前の記述を見ることは一応できるものの、表示に一貫性がなく非常に苦労した覚えがあります。そのため、メンテナンス費用や機材代で稼ぐためにシステムの入札は1円入札だったりするのが問題になったことがあったような気がします。

特に新しいシステムを導入するときには、どこの会社がどんなシステムを作り上げてくるのか、手探りの状態ですし、導入の準備をしている職員が買収されてしまうと、会議での配布資料の作成やディスカッションの進行などで特定の企業が良いという印象を与えるのが簡単になってしまう気がします。

逮捕された職員にどのような権限があったのか分かりませんが、医療関係の情報処理分野での実績があり人脈もあったとニュースに書かれています。「北海道大学大学院保健科学研究院客員准教授」という肩書きで、日本医療情報学会では所属「厚生労働省政策統括官付情報政策担当参事官室 」で社員(評議員)を務めています。各地の大学で講演会をしていたりもするようです。(参考:日本医療情報学会広島大学の例

そうすると、上司にはどうすることもできなかったのかもしれません。結果導入されたシステム自体にはきっと問題なかったと信じるしかありません。

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