時期大統領選挙まではまだ一年半あるのですが、民主党のヒラリー・クリントン氏は共和党の立候補者から総叩きにあっています。アメリカでは、今日2015年5月5日に「Clinton Cash」という暴露本も出版されます。

「Clinton Cash」は、名前からして汚いお金の話なのですが、当然本人の著作ではありません。共和党系の人によるものです。(参考記事:『新しいクリントン本が出版される』)

 

本人によるヒラリー・クリントン本

ヒラリー・クリントン氏本人による本はないのかというと、結構たくさん出しています。最新作は「Hard Choices」というもので、日本でも先日、日本語訳されて出版(アマゾン『困難な選択 (上) 』)されました。アメリカでも、先週ペーパーバック版(ペラペラの本)が出ました。買う気はなかったのですが、Amazonでハードカバー版『Hard Choices』が投げ売りされていたので、つい購入してしまいました。

希望小売価格は35ドルで近くの本屋ではその値段で売っていたのですが、2ドル以下という驚き価格に落ちていました。(ただし送料は別)

刷りすぎたのでしょうか?

 

めくってみて感じた違和感

本体635ページ(索引込み)+扉+目次+前書きという分厚い本ですので、読了には時間がかかりそうですし、全部は読まなさそうです。

ずっと持って読むと腱鞘炎になりそうな重さです。2ドル以下だと、紙代くらいですね。

前書きを読んでみて、すごく違和感を感じました。「ヒラリー・クリントンってこんな人だったっけ?」と。もっとガツガツしている感じを全面に押し出したイメージがあるのですが、だいぶ違う印象です。

丁度、今回の立候補ビデオで話題になったのと同じような違和感です。(記事『ヒラリー・クリントン氏の関連記事が増殖中』で取り上げています。)

よく見ると、最初に取り上げられている「人々」に合致するイメージの人たちが立候補ビデオに出ていました。この本『困難な選択』の出版は日本語版は2015/5/1ですが英語の元本は2014/6/10ですので、だいぶ前から周到に準備していたことが伺えます。

 

困難な選択、ゴーストライター

ヒラリー・クリントン氏は文筆家ではないので、よく考えたら600ページ超の本を書くのは容易ではなく、むしろゴーストライターがいて当然だと思います。調べてみると、やはりこの本にもゴーストライターが居たようです。

Clinton’s acknowledgment of her three-man team — Dan Schwerin, a former Senate and State Department aide to Clinton; Ethan Gelber, another State Department aide; and Ted Widmer, a Clinton adviser and Brown University historian — appears in just a few sentences on Page 597 of the 635-page book. Their exact contributions, however, aren’t spelled out.
出典:『Who wrote that political memoir? No, who actually wrote it?』(the Washington Post)

ここで3番目に挙げられているEdward Ted Widmerが実際の執筆をしたとされています。(参考『‘Hard Choices’: Will Hillary Give Ghostwriter Widmer Any Credit?』Truth Revolt)

ワシントンポストの「誰が書いたの?いや、そうじゃなくて実際誰が書いたの?」というタイトルが面白いです。関係ありませんが日本語版は日本経済新聞社から発刊され、訳者は「日本経済新聞社」となっていてこちらもクレジットされていません。

 

困難な選択はつまらない?

「つまらない」という記事がありました。

In Monday’s installment, he began, “Welcome to Hillary Week!”
But the exclamation point was ironic, for Allen immediately dropped what he calls a “truth bomb”: “Hard Choices is a newsless snore, written so carefully not to offend that it will fuel the notion that politics infuses every part of her life. In this book, like in ‘The Lego Movie’ theme song, everyone is awesome!” Such truth bombs seem to be going off everywhere.
In Slate magazine (hardly an anti-Clinton fever swamp), John Dickerson declares that “Clinton’s account is the low-salt, low-fat, low-calorie offering with vanilla pudding as the dessert. She goes on at great length, but not great depth.” “
It feels like a lively textbook,” Dickerson adds, presumably to soften the blow.


出典:『Is anyone really surprised that her new memoir is remarkably dull?』(National Review)

正に同じように思いました。もう少し、期待したのですが。

今のところ、アジアの項目だけ読んだのですが、「へぇ~」と思ったのは、

Years later I heard that the president of the university's daughter had sat in the audience that day and decided she too wanted to become a diplomat.
出典:『Hard Choices』page 50 line 7

東大総長の娘が聞いていて、(ヒラリー氏の講演を聞いてなのかはわからないけれど)将来外交官になりたいらしい、という下りです。当時の総長は、小宮山宏博士だったと思われるのでウィキペディアを見にいってみたら、息子も娘も東大出身と書いてありました。

多少興味を引いたのは今のところこれくらいでした。

 

慎重に言葉を選んでいたのでは?

一方、「えっ?」と思う箇所がそのあとに出てきました。

the interviewers all looked young enough to be in school, not hosting a national talk show.
出典:『Hard Choices』page 51 line 15

国務長官就任後の最初の訪問国が日本で、そのあとにインドネシアに寄ってインタビューを受けた時のエピソードです。全国放送をするには若すぎるというのは酷い言い方ではないかと思います。慎重に書いていたのでは?と思うのですが、アメリカ国内向けに何か意図があったのでしょうか?

 

ヒラリー氏の過去の失言

ヒラリー・クリントン氏と言えば、2008年大統領選挙の予備選でオバマ現大統領が暗殺されることを期待するような発言をしたことをきっかけに、大統領選挙から撤退しました。

参考記事:ブログ『ついに、ヒラリーが落ちました。もう、これで浮上の目は完全になくなったといえるでしょう。

同ページには、もう一つ過去の失言が載っています。

もともと、この人は「日本が米国債を大量に保有しているのは、米国に対する敵対行為だ」と堂々と言ってしまう政治オンチですので。
 ちなみに、米国債の世界最大の保有国は言わずと知れた日本ですが、これについて触るのはタブー中のタブーとされています。

ヒラリー氏は失言が多いと言われる政治家ですので、これからの選挙戦で同じような失言を放ってしまうと、また脱落しかねません。

 

ヒラリー氏の業績

国務長官になる前は、ビル・クリントン大統領のファーストレディとして活躍していました。ヒラリー氏の当時の活躍を研究したレポートがあったのでリンクしておきます。参考:『クリントン政権におけるヒラリー・クリントンの役割』(慶応大学)

手腕が良くないわけではないと思うのですが、「政治音痴」と呼ばれてしまうのは、ライバルからのネガティブキャンペーンの影響もあるに違いありません。

 

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